江戸幕府の老中を務め、相良藩主として現在の静岡県牧之原市を治めた田沼意次(1719~88)の功績をたたえようと、同市の市民団体と掛川市の酒造メーカーが連携して純米大吟醸酒「田沼意次」を完成させた。牧之原市の平田寺で4日、杉本基久雄市長らが出席して田沼の位牌(いはい)に献酒した。6日から市内の三つの酒店で発売される。

 来年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」で、田沼意次が主要人物として登場することが決まったことから、市民団体「相良史蹟調査会」の小沢幸吉会長(76)が地域おこしにつなげようと、オリジナルの酒作りを企画した。

 小沢さんは、「開運」で知られる土井酒造場(掛川市)の土井清愰会長(85)に依頼。酒名を「田沼意次」とすることも決めた。

 土井さんによると、県内で収穫した山田錦などを原料にした。完成した酒は、香りは控えめだがやや辛口で、すっきりした味わいが特徴という。

 4日の献酒式では、位牌に献酒した後、竹中智厚住職が読経し、杉本市長らが焼香した。

 市は、大河ドラマの放映に向けて「市大河ドラマ『べらぼう』活用推進協議会」を結成。田沼意次の顕彰や観光振興を検討している。

 杉本市長は「田沼意次の名前を付けた酒ができたことはありがたい。ドラマ放映に向けて機運も高まってきた。味わうのが楽しみです」と話していた。純米大吟醸酒「田沼意次」は720ミリリットル入りで500本製造。税込み1本3300円。(林国広)

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