ラオスの不発弾処理機関UXOラオのビジターセンター=2025年7月12日、ラオス・ルアンプラバン、吉岡桂子撮影 友好という名の国境の長いトンネルを抜けると、ラオスだった。 日本の本州ほどの国土に800万人弱が暮らす。首都ビエンチャンと中国・昆明市を結ぶ鉄道が走る。青、赤、白のラオス国旗と同じ配色の列車が単線を行く。雨期の濃い緑を貫く土色の川が見える。 中国は、この国に鉄路を延ばし、初の電車を走らせて多くの観光客や貨物を運ぶ。一方で、ラオスには巨額の借金が残った。中国の経済圏へと吸収されていくかのようだ。 ここには、もう一つの大国が残した忘れてはならないものがある。 米国が落とした爆弾だ。19…