第97回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場32校が24日発表され、岐阜県勢は大垣日大(大垣市)の2年ぶり6回目の出場が決まった。一方、昨秋の東海地区大会で4強の岐阜第一(本巣市)は落選となった。
大垣日大の選手たちは岐阜県神戸町の同校室内練習場に集まり、出場校の発表を中継映像で見守った。午後4時ごろ、大垣日大が読み上げられると、大きな拍手が起こった。
高橋正明監督(42)は「お前たちの夢がかなって本当にうれしい。一生懸命やればこういう日が来る。これからの人生で、こんなにうれしい瞬間、感動、喜びがあったんだということを絶対に忘れるな」と語りかけた。
甲子園で春夏通算40勝の名将・阪口慶三前監督の後を受け、就任1年で甲子園出場を決めた高橋監督。この日の正午ごろ、阪口さんから電話があったと明かし、「おめでとうということでした。フライングですけど」と笑った。
甲子園に向けて「選手一人一人の個性、大垣日大の個性を前面に出した野球をやりたい」と抱負を語った。
チームの柱で主将の西河遥人捕手(2年)は「子どもの頃から夢見た舞台でプレーできることが嬉しいです。阪口先生から受け継いだ魂あふれるプレーや全力プレーといった大垣日大らしい野球を甲子園でも発揮したい」と意気込んだ。
昨秋の県大会は6試合で計32得点5失点と圧倒的な強さで優勝。続く東海大会では初戦で中京大中京(愛知)を接戦で破り、決勝は静岡1位の常葉大菊川を7―4で下して14年ぶり3度目の頂点に立った。
右のエース中野翔真投手(2年)、左のエース谷之口翔琉投手(1年)を強肩の西河捕手がリードするバッテリーを軸に、堅守と足を絡めた隙の無い攻撃が持ち味だ。
東海大会決勝で完投した中野投手は「秋とは違った成長したピッチングを甲子園で見せたい。目標は優勝です」。谷之口翔投手は「小さい頃から甲子園で投げたいと思っていた。楽しんで投げる中で自分の投球ができたらいい」と話した。
大会は組み合わせ抽選会が3月7日に大阪市であり、阪神甲子園球場で同18日に開幕する。
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岐阜第一は、2001年の選抜大会以来となる甲子園出場はならなかった。
田所孝二監督はグラウンドで練習していた部員約40人を集め、落選を伝えた。「勝たないと上に行けない。またこれから頑張っていこう」と呼びかけた。
県3位として臨んだ昨秋の東海地区大会では、初戦から2試合連続でコールド勝ちして4強入りしたが、準決勝では県大会に続いて大垣日大に敗れた。この日の選考委員会では、比較対象の至学館(愛知)とは「すべてにおいて拮抗(きっこう)」と評価されたものの、最終的には地域性が考慮された。
兼松秀真主将(2年)は「大事なところであと1勝する力が足りない。選ばれなかったのは実力不足だと思うので、夏の甲子園に行けるように、またここから頑張っていきたい」と前を向いた。