大学入試の一般選抜が近づいている。大手予備校・河合塾の模試の動向から、人気が高まっている学部など、今年度の傾向をみてみると――。
河合塾の秋の模試で受験生の志望動向をみると、国公立、私立ともに文系の志望が前年より持ち直して増えているという。特に、コロナ禍で海外渡航が制限され、志願が一時大幅に減った外国語学部や国際関係学部が回復しそうだ。また、経済・経営・商学部も前年より増加傾向という。
理系では、理学部や工学部の志望が増える見込みという。農学部や医学部も、引き続き人気がある。牽引(けんいん)しているのは女子受験生で、前年と比べたときの増加率は男子より大きかった。女性の理系学生を増やす国の政策が影響しているという。
女子枠を設ける大学も増えており、朝日新聞の今年4~5月の調査では、回答した79の国立大のうち「導入済み」や「導入する方向」との回答が4割を超えた。工学系が多く、理学系や情報系もある。
今年度、初めて実施するとの回答は千葉大や神戸大など14大学。統合で10月に発足した東京科学大は、旧東京工業大の学部の女子枠を58人から149人へと大幅に広げる。
河合塾の近藤治・主席研究員…