田植えを体験する相模女子大の学生たち=福島県本宮市、相模女子大提供

 東日本大震災の発生から14年を迎えた11日、被災地でボランティア活動を続ける相模女子大(相模原市南区)の学生たちが活動発表をした。大学生が見た被災地の悩み、そしていまの姿は――。

 地域創生や伝統文化継承などさまざまな活動に参加する学生を支援する同大学の「Sagamiチャレンジプログラム」の一環で、この日は10団体が報告に立った。うち2団体が東日本大震災にかかわる活動を続けている。

 「もとみやSMILEプロジェクト」は福島県本宮市で農地の除染や風評被害について学びながら、現地で農業体験に参加し、東京の物産展や大学祭で農産物の販売に取り組んでいる。

 リーダーの常法寺夏帆さん(3年)は当時、福島県郡山市に住む小学生だった。「近所に(放射線量が高い)ホットスポットがあり、学校で水泳や屋外での体育ができなかった」と振り返る。

 懐かしい福島での活動に興味を持ち、参加したが、10年以上経過しても風評被害が消えない実情を知り、心を痛めているという。「自分たちで収穫した野菜や果物は本当においしかった。農産物をはじめ本宮の食の魅力を伝えようとSNSなどでの発信にも取り組んだ」と報告した。

 2011年から活動を始めた「復興支援学生ボランティア委員会」は岩手県大船渡市で活動しており、リーダーの浦野真祐子さん(3年)は現地を4度訪れた。

 学生たちは大船渡市の花・椿を軸に震災の記憶を幼稚園児や小学生に伝える「椿のがっこう」という活動に参加してきた。さらに、大船渡市で栽培される新品種のイチゴ「さんりく星苺(ほしいちご)」を使ったスイーツ開発にも携わった。「地元農家、菓子店と協力して開発した商品がイベントで売り切れたときは、本当に感激しました」と語った。

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〈おことわり〉当初配信した記事で、もとみやSMILEプロジェクトのリーダー常法寺夏帆さんの名前が誤っていました。記事を修正しました。

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