不登校の子どもたちを支援しているゼミが東洋大学にある。子どもの権利が専門の内田塔子・福祉社会デザイン学部准教授(50)は、学生と考え続ける。子どもにとってよりよい場所とはどんな場所なのか――。
大学の教室に、小学生の男の子が小走りで入ってくる。「来てくれたんだ! ありがとう~」。待っていた大学生たちが笑顔で出迎えた。
6月29日、東洋大学赤羽台キャンパス(東京都北区)の教室には、小学生から高校生までの約10人の子どもたちと、十数人の大学生が集まっていた。子どもたちは不登校や不登校経験のある児童生徒。大学生は保育や福祉、教育を学ぶ学生たちだ。
子どもたちは持ってきたゲームを始めたり、絵を描いたり、トレーディングカードを広げたり。その隣に大学生たちが座り、熱中する子どもたちを静かに見守る。
「隣にいるだけ、待つ」 論文、仕事にも生きる経験
大学4年の谷口瑞姫(みずき…