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永井琉太さん(中央)と西畑駿希さん(左)と長谷川さとさん=2024年4月3日、吹田市役所、田中祐也撮影
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 大学生が今月、大阪府吹田市役所内にラーメン店を開業した。メニューの開発から仕入れ、調理、販売まですべてを担う。1人でも多くのファンをつくりたいと意気込んでいる。

 「いらっしゃいませ!」。今月上旬、記者が同市役所地下1階のラーメン店「麺の下の力持ち」に入ると、元気いっぱいの声に出迎えられた。

 メニューは「背脂煮干し醬油(しょうゆ)ラーメン」(税込み800円)とサイドメニューのみ。ラーメンが運ばれてくると、煮干しの香りが食欲をそそる。背脂とみじん切りされたタマネギのシャキシャキ感を味わえるスープは、手もみの中太麺との相性が抜群。あっという間に食べてしまった。

 店を運営するのは、同市役所近くの大和大学(吹田市)の学生たちだ。代表の永井琉太さん(21)は「年間360杯以上のラーメンを食べ歩いた末にたどり着いた自信の一杯です」。

 2022年4月、社会学部の講義で、SDGsをテーマにしたプロジェクト案の募集があった。ラーメンが大好きで、将来はラーメン店を開きたいと思っていた永井さんは、廃棄される食材を使ったラーメンの開発を提案し、採用された。

 さっそく1カ月後のイベントに出店することになった。永井さんは仲間の学生とスープに使う煮干しを求めて、京都府北部の舞鶴市役所を訪問。紹介された煮干し業者から、小さすぎて出荷できない未利用魚の煮干しがあることを聞き、これをスープに使うことにした。タマネギは淡路島(兵庫県)の農家から市場に出せないものを仕入れている。3日間のイベントで約650杯を売った。

 イベントと並行して、永井さんは自分の店を出そうと、大学の近くで空き店舗を探した。吹田市役所地下1階の喫茶室跡を、市が起業家育成のために格安で貸し出していることを知った。大学から徒歩15分、月の経費は家賃1万2050円と光熱費のみ。理想の物件だった。

 永井さんは大学の単位を取得済みで時間はあるが、1人では営業できない。イベントに一緒に参加した仲間に声をかけ、約10人が協力してくれることになった。

 その一人、西畑駿希(としき)さん(21)は「リーダーとしてみんなを引っ張る姿を見て、同級生ながら尊敬していた。一緒にやりたいと思った」。長谷川さとさん(21)も「最初はびっくりしたけど、今しかできないし、彼の夢をサポートしたかった」と言う。

 店の契約期間は来年2月まで。永井さんは「1年間で営業のノウハウを学び、将来は海外でラーメン店をオープンしたい」と話した。

 営業時間は午前11時半~午後2時。定休日は土日祝。問い合わせはQRコードから。(田中祐也)

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