政府が導入を目指すセキュリティークリアランス(適性評価)制度について、専門家から指摘が相次ぐのは「不透明な部分が多すぎる」点です。日弁連で特定秘密保護法の問題に取り組む三宅弘弁護士は、犯罪行為をあらかじめ明確にする「罪刑法定主義」に反しており、冤罪(えんざい)事件が起きかねないと訴えています。
- 【そもそも解説】セキュリティークリアランスなぜ導入?調査の対象は
――今回の仕組みは、2014年に施行された特定秘密保護法の適性評価制度を、経済分野にも拡大していくものと言われています。
特定秘密保護法の時は守るべき重要情報を防衛・外交・スパイ防止・テロ防止の4分野に限り、要件はかなり厳格でした。今回、政府は保護する範囲を「重要経済基盤に関する情報」としていますが、これでは何のことだか分かりません。法案は、重要経済基盤を次のように定義しています。
「我が国の国民生活または経…