大村智さん(右から2人目)と受賞者の(左から)井畑輝亮さん、北森晴翔さん、野沢凱人さん=2025年2月3日、甲府市の山梨県庁

 山梨県出身でノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さん(89)の功績をたたえて県が設けた大村智自然科学賞の第9回の受賞者が、県立甲府南高校の物質化学部金属樹班(北森晴翔(はると)さん、井上幸弥(ゆきや)さん、野沢凱人(かいと)さん、井畑輝亮(こうすけ)さん=以上3年、村松庵(いおり)さん=2年)に決まった。

 同賞は、中学生、高校生の自然科学分野の研究を対象としている。甲府南高の研究班は、金属を含む水溶液を電気分解すると、金属が樹木のような形に析出する「金属樹」の形状が、電流密度によって変わることを解明した。

 表彰式が3日、県庁であり、北森さん、野沢さん、井畑さんの3人が出席した。

 来賓として参加した大村さんは、「今後も自然から色々なことを学ばれることを期待します。自然はどんな教科書にも勝ります」と述べたうえ、思いやりを意味する「恕」の一文字を自ら書いて持参した色紙を示し、「思いやりは人との縁を大事にする基本と思っている。人との出会いを大切にする『一期一会』と合わせて、『恕』という文字を贈ります」と受賞を祝った。

 これに応え、受賞者を代表して、北森さんが「将来、研究者として、人類の知の探究の役割を担いたい」とあいさつ。取材に対して、野沢さんは「研究で大変な時期もあったが、協力して完成させられてうれしかった」、井畑さんは「この経験を生かして、大学に進んでもより良い研究ができるよう頑張る」と話した。

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