パチンコ台で遊ぶイメージ(記事とは関係ありません)=Getty Images

 参院選にパチンコ業界の組織内候補として立候補した自民公認の候補者へ投票する見返りに報酬の支払いを約束したとして、パチンコ店運営会社社長らが公職選挙法違反(買収約束)の疑いで逮捕された事件。背景には何があったのか。規制と時代の変化で揺れるパチンコ業界の「今」を探った。

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 金属の球をはじいて遊ぶパチンコの登場は、大正の終わりごろとされる。警察庁によると、パチンコが法令に初めて記されたのは1954年、メダルを使って遊ぶパチスロは84年だった。

 パチンコ台やパチスロ台が並ぶパチンコ店の営業は、客の「射幸心」をそそる恐れがあるとして風俗営業法で規制され、営業は許可制だ。

 政府は射幸心について「偶然に財産的利益を得ようとする欲心」と定義し、行き過ぎると犯罪を誘発したり経済に悪い影響が出たりしかねないことなどを理由に挙げている。

 このため、営業時間から店内の明るさ、広告の内容までルールがあり、守らなければ行政処分を受ける。

規制の背景にIR誘致

 特に台の機能は、規則などで細かく決められている。パチンコの場合は、出玉の上限が決まっていたり、パチスロの場合は、絵柄の回転速度の上限が決まっていたりする。

 ただ、パチンコでは規制をかいくぐるように大当たりが続きやすい台が出てきたため、1時間単位での上限も加わった。パチスロは1号機に始まり、ルールが変わるたびに呼び方が変わって、現在は6号機と呼ばれている。

 2018年からはパチンコの…

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