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「命を思う集い」で黙禱する生徒ら=2024年10月11日午前9時49分、大津市、代表撮影

 【滋賀】大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が、いじめを苦にして自殺した事件から、11日で13年が経った。男子生徒が在籍していた中学校では「命を思う集い」があった。祈りを捧げて、命の大切さについて考えた。

 集いは、事件翌年の2012年から始まった。コロナ禍のときは各教室で行っていたが、今年は昨年に続き体育館に生徒らが集まった。

 これまでの人権や道徳の学習で、1年は「自分を見つめる」、2年は「お互いを認め合う」、3年は「自身の生き方を考える」をテーマに学んできた。この日の集会では、そこで学んだことが学年ごとに発表された。

 代表者は、人権とバリアフリー、SNSの使い方、多文化共生などについて説明。生徒が寄せた「お互いの違いを認められるようになりたい」「性別にとらわれずに生きていくことが大切だと考えた」「自分で考えることを大切にしたい」などといった感想も紹介した。

 発表を聞き終えた校長は、「私たちの周りには、希望が見いだせず悩んで苦しんでいる人がいるかもしれません。想像力、思いやり、優しさをもって過ごしてほしいなと思います」などと生徒たちに語った。

 参加者は黙禱(もくとう)を捧げたあと、生徒から募った言葉で作詞された「命の詩(うた)」を合唱。司会の生徒が「私は今は命を救うような大きなことはできませんが、私の近くにある命を大切にしていきたいと思います」などと締めくくった。

 この日は、市教育委員会の幹部職員らも市役所で黙禱した。島崎輝久教育長は「このような悲しい出来事を二度と繰り返さないよう、そしてどんなに時が流れても風化させることのないよう、すべての子どもが安心して学べる教育を推進してまいります」などとするコメントを出した。(仲程雄平)

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 〈大津いじめ事件〉 2011年10月、大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が、同級生からのいじめを苦にして自殺した。学校は全校生徒にアンケートをしたが、学校や市教育委員会は「いじめとの因果関係は不明」とした。

 その後、アンケートの回答に「自殺の練習をさせられていた」などの記述があったことが発覚。学校や市教委の対応が問題視され、警察が強制捜査に入る事態に。県警は12年12月、加害者2人を書類送検、1人を児童相談所に送致した。

 翌年1月、市が設置した第三者調査委員会は、「いじめが自殺の直接的要因」とする報告書をまとめた。生徒の両親が市と元同級生らに損害賠償を求めた裁判は、責任を認めた市と15年に和解。元同級生らについては最高裁まで争われ、21年にいじめと自殺の因果関係を認める判決が確定した。

 事件を機にいじめ防止対策推進法が成立し、13年9月に施行された。

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