東京都瑞穂町の米軍横田基地そばにある米軍ハウスを改修してつくったスタジオでポーズを取る大滝詠一さん©THE NIAGARA ENTERPRISES

 「君は天然色」などのヒット曲で知られるミュージシャンの大滝詠一さん(1948~2013)が、再び注目されている。今年、自身が設立した「ナイアガラ・レコード」が50周年を迎え、記念ライブやリニューアルアルバムで、大滝氏の音楽に触れる機会が増えているためだ。自宅とスタジオがあった東京都瑞穂町では今も、大滝氏の音楽が息づいている。

 岩手県出身の大滝さんは、細野晴臣さんや松本隆さんらとともに日本ロック史の草創期に活躍した「はっぴぃえんど」に参画。1972年の解散後、瑞穂町にもまたがる米軍横田基地の軍人とその家族の居住用に建てられた米軍ハウスに移り住んだ。自宅の隣にスタジオ「FUSSA 45 STUDIO」(福生45スタジオ)もつくった。

 大滝さんの死後、全国ファンの集い「大瀧詠一さんを語る会」を毎年、同町で開いている栗原勤さん(72)によると、大滝さんは10代のころ、在日米軍向けラジオ放送FEN(現AFN)でアメリカンポップなどの音楽を聞き、育ったという。「そんな音楽への思いが、米国の雰囲気の感じられる町への移住を促したのではないか」と栗原さんは推察する。都心に用事があれば、マイカーの米国車「キャデラック」で向かったという。

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