第65回全日本吹奏楽コンクール中国大会(中国吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は23日、松江市の島根県民会館で中学生の部があり、21団体が出場した。
審査の結果、出雲市立大社(島根)、防府市立華陽(山口)、出雲市立一(島根)が、10月19日に宇都宮市である全日本吹奏楽コンクールの代表に選ばれた。
結果は次の通り。(演奏順、◎は全日本の中国代表)
【金賞】防府市立国府(山口)、◎出雲市立大社(島根)、岡山市立京山、山口市立小郡、◎防府市立華陽(山口)、◎出雲市立一(島根)、防府市立桑山(山口)、広島市立東原
【銀賞】出雲市立河南(島根)、倉敷市立味野(岡山)、出雲市立浜山(島根)、広島市立翠町、岡山市立御南、総社市立総社東(岡山)、岡山県立岡山操山、東広島市立中央、米子市立後藤ケ丘(鳥取)
【銅賞】東広島市立松賀、米子市立福米(鳥取)、松江市立東出雲、鳥取大付
残響に美しさ、各校の声と演奏レビュー
「全日本」への切符がかかる中学生部門。島根県民会館のホールには、さわやかなサウンドが広がった。
最初に演奏した出雲市立河南(島根)は、自由曲に選んだ「ベルゼール・ブランシュ」の冒頭から、木管楽器の流れるようなアンサンブルを聴かせた。
音が消える瞬間まで神経を使った演奏で、銀賞を受賞した。
防府市立国府(山口)は、課題曲Ⅱの弱音で始まるフレーズを、全員が耳を澄まして聴き合うように、大事に奏でた。それでいてしっかりと息の入った音で、バンド全体の広がりある響きに結びつけた。
自由曲「白磁の月の輝宮夜(かぐや)」では、ホルンが難易度の高いフレーズを見事に吹ききった。トランペットの音色の統一感や、低音楽器の支えのバランスも秀逸で、金賞に輝いた。
銅賞だった米子市立福米(鳥取)の課題曲Ⅱの演奏では、サックスがフレーズを閉じるときの表現が研ぎ澄まされた美しさだった。
織田信長の生涯を描いた自由曲では、木管の高音のリフレインからホルンのハーモニーが際立つところまでを、色彩感たっぷりに描写した。
倉敷市立味野(岡山)は銀賞を受賞。クラリネットで部長の菊池衣花(こはな)さん(3年)は「味野中でしか出せない表現を表情豊かに演奏できた」と話した。
自由曲に選んだのは「天満月の夜に浮かぶオイサの恋」。生徒たちは悲恋の物語をどう表現したいか、それぞれが1枚の紙に絵を描く「宿題」をこなしてから、コンクールに臨んだ。菊池さんは「それぞれに考えがあったけど、中心となるものは一緒だった」と話す。
舞台では、26人と比較的少…