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カラカスで2024年7月29日、ベネズエラ大統領選の結果に抗議するデモを遮ろうとする警官隊の前でベネズエラの国旗を広げる人=AP
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 南米ベネズエラで28日投票された大統領選は、事前の世論調査や当日の出口調査で野党候補の大幅なリードが伝えられていたものの、選挙管理当局が現職マドゥロ大統領(61)の当選を発表しました。選挙結果への抗議デモが各地で始まり、国際社会からも結果を疑問視する声が上がっています。何が起きているのか。アジア経済研究所の坂口安紀・主任調査研究員(ベネズエラ地域研究)に聞きました。

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 ――選挙結果をどう受け止めていますか。

 与党の影響下にある選挙管理当局は、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表しました。選挙当局は全国から送られてきた投票結果を集計する際、野党側の立会人を排除して集計を進めました。

 一方野党側は、ゴンサレス氏が7割を得票したと発表しました。事前の世論調査ではゴンサレス氏が30~60ポイント差でリードし、当日の出口調査でもゴンサレス氏の得票が65%、マドゥロ氏が31%と報告されていたので、野党側の発表とおおよそ一致しています。これらを踏まえると、選挙当局の発表は事実に基づかないものであると考えてよいと思います。

「選挙不正」主張する野党側の入念な準備

 ――野党側はどんな根拠で勝利を主張しているのでしょうか。

 選挙は自動投票機を使ってお…

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