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韓国・務安で2024年12月30日、着陸に失敗した済州航空機の犠牲者を慰霊する会場で、祭壇に花を手向ける崔相穆経済副首相兼企画財政相=AP

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の権限代行を務める崔相穆(チェサンモク)経済副首相兼企画財政相は31日、尹氏の弾劾(だんがい)審判を担う憲法裁判所の裁判官の欠員3人のうち、2人を任命した。裁判官の任命をめぐって政権・与党と野党が対立していた。

 崔氏は与党・国民の力と野党・共に民主党の推薦者を一人ずつ任命した。共に民主党が推薦したもう一人については、「与野党の合意が確認され次第、任命する」とした。

 これまで憲法裁判所の裁判官9人のうち3人が欠員だった。6人の賛成で尹氏の罷免(ひめん)が決まるが、3人が欠員の状態では全員の賛成が必要だった。尹氏の罷免を確実にしたい共に民主党が速やかな補充を求める一方、国民の力は権限代行に任命権限がないとして対立。任命を事実上拒否した韓悳洙(ハンドクス)首相に対し、共に民主党は「弾劾カード」を切り、職務停止に追い込んだ。

 共に民主党は崔氏が任命を拒否すれば、弾劾訴追も辞さない構えだった。共に民主党は「国会推薦の3人を選別して拒否すること自体が、違憲的な発想だ」と批判したが、崔氏に対する弾劾訴追については触れなかった。

 また、崔氏は31日、非常戒厳をめぐる内乱事件と、尹氏の妻の金建希(キムゴニ)氏をめぐる疑惑を捜査する特別検察官を任命するための法案について、「憲法違反の恐れが高い」などとして拒否権を行使した。

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