第97回選抜高校野球大会に出場する花巻東(岩手)が14日、甲子園練習に臨んだ。同県大船渡市出身の森下祐帆選手は、大規模な山林火災で実家が被災したと明かした。
自身は花巻市内で寮生活をしているが、両親が住む大船渡市の実家は「壁が焼けたりガラスが割れたりして、もう住めなくなった」。隣接する祖父母宅は全焼し、家族は今、別の部屋を借りて生活しているという。
一時は練習中も家族のことが気になり、集中できないことがあった。ただ、「親からは『野球に集中してほしい』と伝えられた。自分にできることは一生懸命プレーすること」と前を向く。甲子園練習では遊撃手の位置で安定した守備を見せた。
また、大船渡市出身で大リーグ・ドジャースの佐々木朗希投手(23)が1千万円と寝具500セットを寄付したとニュースで知り、改めて尊敬の念を持った。
「東日本大震災の時に自分も苦しかったっていう経験があるから、このようなことができるのだと思う。地元のことを考えて、人のことも考えての行動ができているので素晴らしいなと思いました」
家族は甲子園に「応援に行きたい」と言ってくれている。「全力プレー」で応えるつもりだ。