「チャリティースイム・イン・さがみはら」の競技会場。6歳から83歳まで様々なスイマーが参加した=神奈川県相模原市、三浦英之撮影

 大規模な山林火災に見舞われた岩手県大船渡市や、復興半ばの能登半島の若手スイマーらを励まそうと、「チャリティースイム・イン・さがみはら」が13日、神奈川県相模原市で開かれた。

 東日本大震災で被災した東北の若手スイマーたちを励まそうと2011年4月に始まった大会で、今年で12回目。岩手県沿岸部の高校水泳部員や、能登半島地震でプールが被災した石川県の若手スイマーらが招かれ、日本代表選手や6歳から83歳までの市民スイマーら約850人が参加。年齢や性別、障害の有無に関係なく、誰もが一緒に楽しめる水泳競技の素晴らしさを確認し合った。

 招かれた岩手県立高田高校水泳部は、14年前の津波で部員11人と顧問2人のうち、部員7人と顧問1人が犠牲になった。今年の大船渡市の山林火災では、プールが消防隊の拠点になったため、2月下旬から4月上旬まで使えず、練習ができなかった。

 大船渡市赤崎町に家があり、火災で2週間近く避難生活を強いられた同部のキャプテン・崎山稟(りん)さん(17)は「山に立ち上る火を見ながら、毎日不安な気持ちで避難生活を送った。火災発生以降、あまり練習ができなかったので、広いプールで様々な人と泳ぐことができて本当に楽しい」。

 能登半島では今も復興が進んでいない。石川県七尾市のスイミングクラブ「スポーツギャザー770」はまだ再開の見通しが立っていないが、所属する中学2年の竹田まりもさん(13)は「この会場でもらった声援や励ましを、能登の人にも届けたい」と述べた。

 主催した相模原市水泳協会の添畑大海理事長は「今年の合言葉は『災害に慣れるな』。東日本大震災が大きすぎて、大船渡も能登もまだ大変なのに報道も支援も減っている。1人でも困っている人がいるなら、手をさしのべる。そんな当たり前のことを再認識できるような大会を、これからも続けていきたい」と話した。

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