国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在をまもなく終える大西卓哉飛行士(49)と、到着したばかりの油井亀美也飛行士(55)が4日、軌道上で会見した。大西さんは準備していた、たすきを油井さんに渡し、日本の実験棟「きぼう」の任務を引き継いだ。
油井さんは「重力はないですが、期待や応援のつまったたすきはとても重い。大西さんからすばらしい仕事を引き継ぎ、新たな歴史を築きたい」とたすきを受け取った。
油井さんと大西さんは09年にJAXAの飛行士候補に選ばれ、ともに訓練を受けた同期。油井さんは滞在中、日本が開発した補給機「こうのとり」の後継「HTV―X」を迎える可能性があり、大西さんは「HTV―X」と書かれたジャケットをプレゼントした。
上空約400キロの軌道を回るISSに日本人が2人同時に滞在するのは、野口聡一飛行士と山崎直子飛行士が滞在した2010年、野口さんと星出彰彦飛行士の21年に続き3回目。
大西さんは3月から滞在し、船長を務めた。「大役は果たせた。船外活動ができなかったことは心残りだが、後を引き継ぐのが油井さんなので心置きなくISSを離れることができる」と話した。早ければ7日(日本時間)にも宇宙船クルードラゴンでISSを離れ、大気圏に突入して米カリフォルニア州沖に着水する予定だ。