大リーグのドジャースで活躍する大谷翔平選手の出身地に、全国のファンが訪れ、「聖地」の一つと呼ばれる図書館がある。岩手県奥州市の市立胆沢(いさわ)図書館だ。ファンのお目当ては、司書がほぼ一人でこつこつ作った「詳しすぎるもの」。市街地から離れ、田畑に囲まれたその小さな図書館を訪ねた。
「7月5日、岩手県水沢市(現奥州市水沢)で生まれる。→体重3400グラム」。そんな「誕生」から始まる歩みは、A3サイズの厚紙にびっしりと情報が書き込まれている。読んでも読んでも終わらない。
5日から展示されている「大谷翔平選手年表」だ。長さは計約43メートルにも及ぶ。2022年以降、シーズン終了後の11月ごろから翌春まで展示しており、3回目になる。
作成したのは、上席主任司書の渡辺貴子さん(48)。「年表をつくるまで、全く野球に詳しくなかったんです」。そう打ち明ける渡辺さんにとって、今や「細かすぎる」年表づくりは一大プロジェクトになっている。
地元ならではの情報も 生まれた産婦人科まで
きっかけは2年前、大谷選手…