大リーグ・ドジャースで活躍する大谷翔平(30)の兄で、今季から社会人野球のトヨタ自動車東日本を指揮する大谷龍太監督(36)が8日、神奈川・等々力球場であった東京スポニチ大会で公式戦デビューを果たし、茨城トヨペットを3―1で下して初陣を飾った。
3―0で迎えた九回だった。
1点を奪われ、なおも無死一、二塁とピンチが広がったところで、直前にジャンパーを脱いでユニホーム姿になっていた大谷監督が、この日初めてマウンドに向かった。
「バントもある場面なので焦らずにいこう。頑張ってくれ」
低い声で思いを伝える。最後は1死満塁を切り抜けると、三塁側ベンチで右拳を掲げて周りと喜び合った。
「監督の初陣と結構、言っていただくんですけども、正直あんまり。選手があくまで主役ですので、新チームになって、一つ勝ったのはすごくうれしい」
記者会見で感情はあまり出さず、淡々と言葉を選んだ。
- 球児・大谷翔平の公式戦初ホームラン 対戦校監督が振り返るその瞬間
現役時代、外野手だった大谷監督は岩手・前沢高から独立リーグなどを経て、2012年から同社でコーチ兼任でプレー。18年には都市対抗に出場した経験がある。
今年から監督に就くと、一カ月ほどのキャンプで新チームをつくってきた。
実戦にむけ、選手に三つ求めたことがある。
①他のチームに弱い姿を見せ…