ジャイアンツ戦を控え、ベンチに戻ってくるドジャースの大谷翔平=15日、AP

 2度目の右ひじ手術から復帰を目指していたドジャースの大谷翔平が16日(日本時間17日)、本拠でのパドレス戦に先発登板した。1回を投げ2安打1失点。「いまいち」と振り返りながらも、2023年8月以来となる登板で最速は100マイル(約161キロ)を記録し「いいイメージをもって前進できる材料はいっぱいあった」と手応えも語った。

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 通称「トミー・ジョン」と呼ばれる内側側副靱帯(じんたい)再建術など、ひじの手術を複数回受けながら復帰した大リーグの速球派投手は何人もいる。ただ、故障前の状態に戻れるかは不透明だ。

 大リーグでひじ手術の権威の一人として知られ、レンジャーズのチームドクターであるキース・マイスター氏が2月に発表したひじの手術に関する論文によると、1度目であれば「約83%の選手が手術以前、もしくはそれ以上のプレーができている」と報告。ただ、複数回となると成否は分かれるという。ある調べでは約77%が復帰したが故障前のレベルに戻れたのは約55%というデータを紹介。別の調査では故障前と同じパフォーマンスができているのは約47%との結果もあるという。

 「成功例」とみられているのがネーサン・イオバルディ(レンジャーズ)だ。メジャーデビュー前の2007年に右ひじを手術し、ヤンキースに所属していた16年に2度目のメスを入れた。復帰後は調子に波もあったが21年にレッドソックスで11勝、レンジャーズに移籍した23年からは2年連続12勝を挙げている。

 昨季、大谷とドジャースのチームメートで、ワールドシリーズ制覇に貢献したウォーカー・ビューラー(レッドソックス)も22年に2度目の手術を経験。復帰後はなかなか投球が安定しなかったが、昨年のリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズでは力強い投球を披露した。

 何をもって「故障前のレベル」と定義するかは難しい。

 復帰した速球派に共通してみ…

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