福井県大野市上半原の九頭竜湖畔で3月に起きた大規模な斜面崩壊で、国道158号は現在も現場から岐阜県境まで通行止めが続く。中京と結ぶ観光の基幹ルートが遮断され、奥越地域の観光は大打撃を受けている。県は7月下旬の開通を目指して迂回(うかい)路の建設を急ぐ。

 3月18日に国道に面した斜面で小規模な土砂崩れが起きた後、翌19日に幅約90メートル、高さ約100メートルにわたって崩壊。土砂や岩、倒木が2車線の国道を埋めた。

 専門家を交えた国や県の対策会議では、3月に入って急激に気温が上がった影響で融雪が進み、地下水が集まりやすい地形だった斜面下部がまず崩れ、支えを失った上部が一気に崩れたことが原因とされた。

 九頭竜湖周辺はドライブやツーリング、サイクリング、キャンプなどアウトドアの人気スポットで、中京方面から東海北陸道の白鳥インターチェンジ(IC、岐阜県郡上市)経由で多くの観光客が訪れ、大野市街や福井県立恐竜博物館がある勝山市へ向かう中継地点でもある。逆に福井県内から岐阜県の飛驒高山や白川郷などを訪れる人も利用し、観光ツアーのコースにもなっている。

 しかし通行止めのため、東海北陸道や名神高速から北陸道の福井北ICを経由し、中部縦貫道の九頭竜ICで降りる「広域迂回」をせざるをえない状況が続いている。

 福井県側の玄関口で、動く親…

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