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 大阪のシンボル・通天閣がそびえる繁華街「新世界」。新世界本通を抜けた道向かいに「風林火山」ののぼりを掲げる店がある。看板には大きく「ほうとう」の文字。店名はずばり「甲州麺」。くいだおれの街で山梨名物はウケているのか?

 3月下旬。のれんをくぐり、店に入った。テーブル4卓、カウンター4席の小ぶりな店内。メニュー表を見ると、麺類はほうとうだけ。富士山の写真はもちろん、甲斐の武将・武田信玄ゆかりの軍配、信玄の名言も飾られている。「山梨愛」があふれていた。

 店を営むのは「浪速フード」(大阪府)の社長、高尾泰好さん(64)。ギョーザチェーン「大阪王将」のフランチャイズ17店舗を大阪府内で経営し、「甲州麺」は2011年に開業した。「大阪でほうとうが食べられるのは、うちだけじゃないの?」

 ほうとうは、小麦粉を練った太い平打ち麺を、カボチャなどの野菜や肉と一緒に、みそ仕立ての汁で煮込むのが一般的。信玄が陣中食として作らせたとも伝えられる山梨の郷土食だ。

 高尾さんに尋ねてみた。「ほうとうは売れていますか?」

写真・図版
「甲州麺」を営む高尾泰好さん=2025年3月23日、大阪市浪速区、池田拓哉撮影

利益の出ない店、それでも続けた

 「ついこの前まで十数年、利…

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