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大阪急性期・総合医療センター=2023年1月25日午後1時10分、大阪市住吉区、川田惇史撮影

 2022年に大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)がサイバー攻撃を受けた問題をめぐり、同センターを運営する大阪府立病院機構は8日、ウイルスの侵入経路となった民間の3事業者が病院側に計10億円の解決金の支払いをすることで合意し、和解が成立したと発表した。

 ランサムウェア(身代金ウイルス)と呼ばれるコンピューターウイルスによるサイバー攻撃は、22年10月に発生。病院の食事をつくっていた給食業者のシステムにウイルスが侵入し、それと接続していた患者の電子カルテのシステムに障害が起きたとみられている。

 この影響で過去の詳しい治療歴の照会や診療報酬の計算ができなくなり、センターは救急患者や外来の受け入れを制限。完全復旧には2カ月以上を要し、原因の調査や復旧の費用なども含めて約20億円の損害が生じたという。

 機構は、センター側のセキュリティー対策が不十分だったという指摘なども踏まえ、給食業者などの民間事業者と負担割合を協議してきた。その結果、給食業者、給食のシステム開発業者、病院の電子カルテシステムの開発業者の3事業者が機構へ計10億円を支払うことで合意したという。

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