18日午前9時50分ごろ、大阪市中央区宗右衛門町のビルで、「1階付近から火が出ている」と近くの店舗の従業員から119番通報があった。大阪府警によると、煙を吸うなどして2人が体調不良を訴えているほか、消防隊員1人がけがをしているという。府警や消防が状況を調べている。
大阪市消防局によると、現場は雑居ビルで、隣接する建物にも延焼。午前10時45分時点で計約40平方メートルの焼損が確認できたという。消防車51台とヘリ1機が出動し、消火活動が続いている。
現場は、観光客らが集まる大阪・ミナミの繁華街。道頓堀川沿いに立つビルで、グリコの巨大看板がある戎橋にも近い。SNSでは、ビル付近から赤い炎と黒い煙が上がる様子が複数投稿された。
現場周辺では午前10時半すぎ、焦げたようなにおいが充満していた。消防が黒煙を上げて燃えるビルを地上からホースで放水して消火する様子に、多くの観光客らが足を止めて心配そうな様子で見守った。
現場近くの串カツ屋スタッフの女性(19)は午前10時前、店の前にいると、黒い煙が突然空をぶわっと覆ったという。
「雨かなと思ったら、パンッという音がして、通りにいる人が『火事や』と叫ぶ声が聞こえた。煙が流れてきてびっくりしたし、怖かった。まだ朝早いので観光客は少ないけど、普段通りできるのか分からない」と話していた。
近くのビル5階で仕事をしていた60代女性は午前10時前、火災報知機の音に気づいた。外に出たところ、煙が上がっており急いで避難した。女性は「普段から火災報知機の誤作動が多いので、今回もそうだと思っていたけれど……。本当に火事だったのでびっくりした」と話していた。