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野外講演会で語る隈研吾さん。後ろに見えるのは隈さんが設計を手がけたホテル=2025年3月25日午後6時10分、大阪市中央区難波5丁目、黒田陸離撮影
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 大阪・ミナミの南海難波駅前にある「なんば広場」で25日夜、「NAMBA MASHUP 混沌(こんとん)から生まれるイノベーション」とうたった無料の野外講演会が始まった。4月に開幕する大阪・関西万博の開催期間に合わせ、各界の文化人を招いてミナミの魅力を語ってもらうという取り組みだ。

 初回のゲストは建築家の隈研吾さんら。隈さんは、広場のそばに2019年12月にオープンしたホテルを手がけた際、以前同じ場所にあった大阪新歌舞伎座の外観を取り入れた。世界の街の風景について語ったうえで、なんば広場の辺りを「ごちゃごちゃでいろんな特性が表出している場所」と表現。「今の街づくりでイケてるのは、一色に染めないことだ」と話した。

 広場は23年11月、駅前の憩いの場としてできた。昨年12月からは規制が緩和され、民間でもイベントを開きやすくなった。この日、用意された約200席はほぼ満席に。通りかかった人なども足を止めて話を聞いていた。

 広場の運営に関わる南海電鉄は、芸術や音楽、芸能など様々なサブカルチャーが集うミナミの担い手づくりを掲げる。講演会の狙いについて、担当者は「万博は国内外から人が集まるせっかくの機会だが、商業的な話が目立つ。日本やミナミの文化について、知識を深め、豊かな発想を生み出す場にしたい」と話す。

 野外講演会は今後も月に1度開催。K―POPのプロデューサーや芸術家などを招く予定だという。

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