記者会見で「赤ちゃんポスト」設置の方針について話す大阪府泉佐野市の千代松大耕市長=2025年5月29日、泉佐野市役所、西江拓矢撮影

 大阪府泉佐野市は29日、望まぬ妊娠に悩む女性が医療機関の担当者のみに身元を明かす「内密出産」に取り組む方針を明らかにした。育てられない新生児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」も設置する。連携する市内の医療機関を決め、早ければ来年度から開始する。医療機関への「赤ちゃんポスト」の設置は全国で3例目になるという。

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 市はこの日、6月の定例市議会に提案する今年度の補正予算案を発表。「赤ちゃんポスト」を設置している熊本市の慈恵病院、東京都墨田区の賛育会病院への現地調査などの費用として約800万円を盛り込んだ。

 市内の複数の医療機関と設置に向けた話し合いを進めており、今年度内にも選定して設備費や運営費などを市が負担する方針。記者会見を開いた千代松大耕市長は「生まれてきた大切な命を守る。こういった取り組みは、行政主導でやっていくべきだ」と述べた。

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