大阪・関西万博の開幕が約1年後に迫る中、博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長と日本国際博覧会協会(万博協会)の石毛博行事務総長が11日、大阪市内で会見を開いた。建設の遅れが指摘される海外パビリオンについて、ケルケンツェス氏は「準備は開幕までに必ず間に合うと思う」と話した。
各国が独自に設計・建設する「タイプA」のパビリオンをめぐっては、約20カ国がいまだに建設事業者を見つけられていない。だが、ケルケンツェス氏は「パビリオンは仮設であり、いったん建設が始まれば進捗(しんちょく)は早い。内装の工程を含めても、大きな遅れがあるとは見ていない」と説明。運営面のサポートの方がより手間がかかる問題だとして、「今後はソフト面に目を向けていかないといけない」とした。
大阪府と大阪市の昨年のアンケートでは、万博に行きたい人より行きたくない人の方が割合が高くなったが、ケルケンツェス氏は、大きなイベントの前によくある状況だと指摘。「開幕が近づくと人気が高まると思うので、あまり心配していない」と語った。
万博の会場建設費は昨年秋に再び上ぶれし、当初想定の1・9倍の最大2350億円に膨らんでいる。石毛氏は3度目の上ぶれの可能性を問われ、「与えられた予算の中で任務を実行するのが役割。しっかり果たしたい」と述べた。予算の執行を監視するために設けられた経産省の委員会とも連携し、必要な対応を取るという。(箱谷真司、諏訪和仁)