1970年の初舞台の思い出を語る麻実れいさん=篠田英美撮影

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)のOGが大阪・関西万博でスペシャルショーを披露する。その中で「語り部」を務める俳優の麻実れいは、1970年の大阪万博の時に初舞台を踏んだ。レジェンドOGが55年の歳月を経て、万博の地に立つ。

 「当時、私たちはラッキーでした。せっかく万博を見に関西まで来たのだから宝塚も見ましょう、というお客さまも多かったと思います。女性だけの舞台は世界でも珍しいものですから、外国からのお客さまもいらして下さった」

 麻実たち56期生は、入団した70年にちなんで70人。ほぼ40人が入団する近年に比べて、異例の多さだった。

 大阪万博の開会式があった70年3月14日、宝塚大劇場で雪組特別公演が初日を迎え、グランドレビュー「タカラヅカEXPO’70」として「四季の踊り絵巻」「ハロー! タカラヅカ」を1カ月にわたり上演。56期生が初舞台を踏んだ。

 初舞台生はラインダンスを披露するのが恒例だが、人数が多く大変だったと麻実は振り返る。ずらっと1列に並ぶだけで相当な長さになる。しかも、息をそろえて足を上げたり踊ったり。「喜多弘先生が仕込んで下さって、なんとかいいラインダンスが仕上がったと思います」

 大部屋の楽屋に入りきらず、別の部屋にぎゅうぎゅうに鏡を並べて着替えやメイクをしたという。

 日本物のメイクは難しく、初…

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