大阪府議会の副議長選挙で投票する議員ら=2025年5月23日午後1時30分、大阪市中央区、西晃奈撮影

 大阪府議会(定数79、欠員1)は23日、新たな議長、副議長を大阪維新の会(51人)から選出した。副議長は第2会派(公明党・14人)から選ばれるのが慣例で、公明も立候補したが、議会の過半数を占める維新が独占することになった。

  • 不祥事に不穏分子に「空中分解しかねない」 危機感にじむ維新党大会

 この日の臨時会本会議で、議長に維新の金城克典氏(大阪市大正区・西成区、当選4回)が選ばれた。

 一方、副議長には、維新の紀田馨氏(同市城東区、当選3回)、公明の八重樫善幸氏(豊中市、当選5回)が立候補。投票の結果、紀田氏が52票を獲得し、八重樫氏は18票だった。白票が8票あった。

 公明は昨年も副議長を逃した。衆院選で全面対決を控えていたことや、議会で万博への追及を強めたことで維新との関係が悪化。維新が公明からの選出に難色を示したことから第3会派の自民党(6人)に渡った。

 維新が正副議長を独占するのは2014~15年以来3度目だが、過去2回は議会の混乱から他会派に副議長の就任を断られていた事情があり、維新が積極的に正副議長を独占するのは今回が初めて。

 公明府議団の藤村昌隆幹事長は記者団に「首長(吉村洋文知事)が維新の代表で、正副議長も維新。公正公平な議論が本当に担保されるのか」と指摘。維新府議団の角谷庄一幹事長は記者団に「少数会派の意見を無視することはこれまでもなかったし、今後もない」と説明した。

 吉村知事は記者団に「議長・副議長は議会で決めることであり、議会の専権。知事がこうあるべきだと言うのはむしろやるべきことではない」と述べるにとどめた。

共有
Exit mobile version