第74回関西吹奏楽コンクール（関西吹奏楽連盟、朝日新聞社主催）は3日、兵庫県尼崎市総合文化センターで高校A部門が開かれた。当初は1日に開催される予定だったが、台風10号の影響でこの日に延期された。
近畿2府4県の計28校が出演し、金賞受賞校の中から大阪桐蔭、近畿大付、東海大大阪仰星（以上大阪）の3校が関西代表に選ばれた。10月20日に栃木県宇都宮市である全国大会に出場する。
全国大会代表以外の結果は次の通り。
【金賞】甲子園学院中・高、滝川第二（以上兵庫）、明浄学院（大阪）、尼崎双星（兵庫）、京都両洋
【銀賞】加古川東、市立尼崎（以上兵庫）、精華、関西創価（以上大阪）、天理（奈良）、浪速高・中（大阪）、京都橘、淀川工科（大阪）、京都共栄学園、箕面自由学園（大阪）、伊川谷北（兵庫）、洛南（京都）
【銅賞】近江（滋賀）、向陽中・高（和歌山）、立命館守山（滋賀）、京都精華学園、県立西宮（兵庫）、生駒（奈良）、比叡山（滋賀）、星林（和歌山）
無観客でも「思い変わらない」 演奏レビューと各校の声
台風の影響で日程が変わり、会場に観客はいない。それでも高校生たちは、いつもより残響が増えたホールに、いずれ劣らぬレベルの高い音色を響かせた。
最初に舞台に立ったのは、甲子園学院中・高（兵庫）。自由曲ではバレエ音楽「ガイーヌ」からの各曲を、音の粒を荒らすことなく演奏した。
終曲の「収穫祭」では管弦楽を思わせる響きの低音にのってのびやかにうたうクラリネットを、トランペットの輝かしい音色が彩った。
場面ごとの音の雰囲気の変化を意識しながら練習してきた。後ろ倒しとなった日程の変更も「多く練習できる」とプラスに考えて臨み、金賞に輝いた。
部長でホルンの加藤夏椿（つばき）さん（3年）は演奏に、配信などで見てくれている多くの人に届けたいとの気持ちをこめたという。「みんなの演奏している雰囲気がすごく良くて、3年間のことを思い出してしまった。なんだか泣きそうになりながら吹いた。すごく良い演奏ができた」と話した。
続く滝川第二（兵庫）は課題曲Ⅲを、あくまで軽やかに、優美な音色で奏でた。
自由曲は、殉教の残酷な場面や祭りの喧噪（けんそう）を描いた「ローマの祭り」。地面からわき上がってくるような迫力のある音響と軽やかなリズムを巧みに使い分けた。場面の移り変わりをくっきりと描き、金賞となった。
加古川東（兵庫）は、自由曲「モンタニャールの詩」の冒頭で、山崎百合絵さん（3年）、鹿城瑠唯（かしろるい）さん（3年）の2人のトランペットが、互いの音を聴き合うように主題を大事に奏でた。
5連符の主題を関西大会前に…
