天安門事件の犠牲者を追悼するキャンドルナイトが開かれた。顔を隠して参加する人もいた=2024年6月1日午後7時41分、JR新宿駅前、吉田耕一郎撮影
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 1989年に中国で民主化要求運動が武力弾圧された天安門事件の犠牲者を追悼するイベント「キャンドルナイト」が1日夜、東京のJR新宿駅南口で開かれた。事件は4日で、35年を迎える。

 イベントでは、100人以上が路上に置かれたキャンドルライトを囲み、犠牲者らに思いをはせた。顔がわからないようにお面やマスク、帽子、サングラスを着けた参加者が目立った。

 主催メンバーの一人の男性(31)は、お面をかぶって参加者の前に立ち、「(自分は)事件を経験したことはない。ただ、世代の隔たりなく、民主的で自由な中国を目指して戦っていきたい」と呼びかけた。

 小さなライトを手にしていた山東省出身の高校1年生の女性(16)は、父親(48)に連れられて、初めてイベントに参加したという。父親は「子どもに自由な環境で育ってほしい」と2022年に家族で日本に移住。父親はイベントを通じて、「事件の歴史を子どもに知ってほしかった」と話した。

 この日午後には、東京都文京区民センターで35周年記念集会が開かれた。会場では、当時の学生リーダーの一人だった周鋒鎖さんが寄せたビデオメッセージが流された。周さんは「天安門広場から近い東京で、追悼集会を開くのは特別な意味がある」などと語り、事件で同じ大学の学生を亡くしたことなどを語った。(岩田恵実)

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