天安門事件の追悼集会の会場で2024年6月4日、事件発生日を表す「8964」の形に合わせてライトを並べる人=台北、金順姫撮影
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 中国で民主化要求運動が武力弾圧された1989年の天安門事件から、4日で35年を迎えた。台湾ではこの日夜、NGO「華人民主書院協会」などが台北市中心部の中正記念堂そばの広場で、天安門事件の犠牲者を追悼する集会を開いた。

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 会場では香港から移り住んだ人々の姿もみられた。参加者たちは、事件があった日を表す「8964」の形に黄色いライトを並べて天安門事件に思いをはせ、中国と香港の民主化を求めた。中国本土のみならず、言論統制が強まっている香港でもこうした活動は封じ込められており、天安門事件の記憶を引き継ぐうえで台湾が重要な場所として浮上している。

 中正記念堂では13日まで、天安門事件を伝える展覧会が開かれている。出品者の一人、アーティストの黄国才さん(54)は2021年に家族と共に香港を離れ、現在は台湾で暮らす。「台湾には真の民主主義と自由がある。台湾で正々堂々と追悼できるのは、とても基本的な権利だ」。4日の集会では、「華人民主書院協会」で活動する胡嘉穎さんと共に司会を務めた。

 台湾の頼清徳(ライチントー)総統は4日、自身のフェイスブックに「六四(天安門事件)の記憶が歴史の奔流の中で消えてなくなることはない。歴史の記憶が人々の心にいつまでも残り、中国の民主を気にかける一人ひとりの心を動かせるよう、私たちは努力を続けていく」と書き込んだ。(台北=金順姫)

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