選抜出場が決まり、喜ぶ選手ら=2025年1月24日午後5時2分、奈良県天理市杣之内町、周毅愷撮影

 第97回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の出場校を決める選考委員会が24日にあり、奈良県内からは天理(天理市)が選ばれた。3年ぶり27回目の出場を決め、部員たちは3月18日の開幕に向け、気持ちを新たにした。県勢の選抜は天理が前回出場した2022年以来となる。

 この日、西田伊作校長は校内の会議室で、選考委員会総会のライブ配信を見守った。午後4時ごろ、天理の出場が決まると、報道陣の前で「多くの応援と支援をいただく中での出場となり、うれしく思います」と感謝の言葉を述べた。

 その後、西田校長は選手が練習しているグラウンドに移って部員たちに出場を告げ、「支えてくれる人への感謝の気持ちを大切にして、より一層練習に励んでほしい」と伝えた。続いて藤原忠理監督は「近畿の代表として自覚と責任を持ち、全国を見据えて一段と頑張っていこう」と語りかけた。真剣な表情で聴いていた選手たちも、記念撮影の時には喜びを爆発させていた。

 昨秋の近畿地区大会県予選は、全5試合を2失点以下に抑えて、2年ぶりに優勝。近畿大会でも、1回戦、準々決勝をともに1失点で勝ち上がった。準決勝では、東洋大姫路(兵庫)と対戦。序盤で許した3点のリードを五回表に追いついたが、その裏に8点を失い、コールド負けを喫した。

 その東洋大姫路は近畿大会を優勝した後、明治神宮大会でも準決勝まで進出。そんな強豪との試合を通して痛感したのが、一人ひとりの「体の線の太さ」の違いだったという。

 エースとして出場し、チームを引っ張った下坊大陸選手(2年)は敗戦以降、500グラムほどだった夕食の白米の量を800~1千グラムに増量した。体重が増えたことで、ストレートに重みが加わり、得意とする縦のスライダーのキレも増したという。選抜に向けて、「エースとして、チームを勝たせたい」と意気込んだ。

 主将の永末峻也選手(2年)は秋以降、ウェートトレーニングを今まで以上にこなして、守備における瞬発力の向上に取り組んだ。「東洋大姫路との対戦を受けて、意識レベルを上げなければと感じた」と、敗戦を糧に重ねてきた練習に手応えを感じている様子だった。

 藤原監督は「近畿大会では、東洋大姫路との試合で、全国レベルの強さを感じた。選手らにとって、『どれくらいの体づくりが必要か』のイメージが具体的になった」と話す。「高校野球は何があるか分からない。だからこそ、守り勝つ野球で全国に臨んでいく」。そう抱負を語った。

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