天皇、皇后両陛下は26日、静養のため栃木県那須町の那須御用邸付属邸に入った。町内には、太平洋戦争中に強制疎開させられた硫黄島(東京都小笠原村)の元島民の一部が入植した歴史があり、両陛下は同日夕、御用邸に町内に住む元島民2人を招き、懇談した。
硫黄島では先の大戦で、日本側約2万2千人、米側約6800人が戦死する激しい地上戦が行われた。戦いに先立ち、島民の強制疎開も実施され、御用邸がある那須町にも、元島民の一部が開拓団として入植したという。今年4月に硫黄島で戦没者を慰霊した両陛下は、書籍や新聞などでこうした経緯を把握しており、懇談を希望していた。
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この日御用邸に招かれたのは、硫黄島で生まれ育った渡部敦子さん(95)と原ヤイ子さん(94)。地上戦では軍属として徴用された島民も犠牲になった。渡部さんが、島に残されたいとこたちが亡くなったことを伝えると、天皇陛下は「つらい思いをなさいましたね」と気遣い、皇后さまも「悲惨なことですね」とうなずいていた。
疎開した島民も、住まいとな…