天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは12日、静養のため栃木県那須町の那須御用邸付属邸に入った。同日夕にはご一家で御用邸内を散策し、愛子さまは「那須でしかできない経験や楽しみを大切にしながら、自然を満喫できればと思います」と語った。
ご一家は植物を見たり、茶臼岳の方角を見上げたりし、和やかに散策。天皇陛下の顔近くに飛ぶ虫を愛子さまが手で払う様子も見られた。陛下は「少しずつ秋の訪れが感じられる那須の地に、三人そろって今年も来ることができたことをうれしく思っています」と語った。皇后さまも「那須ならではの楽しみを見つけて、三人で楽しくゆっくり過ごすことができれば」とほほ笑んだ。
これに先立ちご一家は新幹線で那須塩原駅に到着。駅前では、出迎えた大勢の人たち一人一人に声をかけ、約30分にわたり和やかに歓談した。
御用邸の近くに住んでいるという40代の女性が「秋の那須を楽しんでください」と伝えると、愛子さまは「楽しみにしております」と笑顔で応じた。残暑の中で待ち、ぐずっていた堀口心菜(ここな)ちゃん(1)には皇后さまが腰を落として目線を合わせ「暑いしねえ」と気遣った。おなかに2人目の赤ちゃんがいる母の永美(えみ)さん(36)には両陛下が「無事に生まれますように」と声をかけていた。
両陛下は先月も静養のため那須御用邸付属邸に滞在したが、愛子さまは日本赤十字社での勤務のため同行していなかった。ご一家は1週間程度滞在し、帰京する。(中田絢子)