天皇陛下は10日午前、東京・上野で開かれた日本学士院の授賞式に出席した。今年度の受賞者は9人で、このうち脳の活動を把握するfMRI(機能的磁気共鳴断層撮影)の基本原理を発見した小川誠二・東北福祉大特別栄誉教授(91)には恩賜賞も贈られた。
式典後、天皇陛下は小川氏から研究内容の説明を受け、「今までの研究で一番ご苦労なさったことはどういうことでしょうか」などと質問。先駆的な研究で「MRIは脳の機能的活動を測定できない」とする定説を覆した小川氏は、「(研究を)始めた頃は、何が出てくるかわからない、何も出てこないかも知れないという状況でした」とかつてを振り返っていた。
同日午後には、皇后さまと共に、受賞者らを招いた茶会を皇居・宮殿で開き、長女愛子さま、秋篠宮ご夫妻も同席した。天皇陛下は「くれぐれも体を大切にされ、今後ともそれぞれの分野の発展のために力を尽くされますよう願っております」と述べ、皇后さまも席上で受賞者に「おめでとうございます」と伝えていた。この茶会は、コロナ禍で中断していたため、2019年以来6年ぶりに開かれた。