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 12日に開かれた大阪・関西万博の開会式で、天皇陛下は「大きな成功を収めることをお祈りいたします」と開会のおことばを述べた。皇后さま、名誉総裁の秋篠宮さま、紀子さまが見守るなか、天皇陛下は1970年の大阪万博を訪れた思い出を語ったうえで、今回の万博を通じて「子どもたちが世界の国や地域、人々への理解を深め、次世代の技術や、SDGsの達成に向けた世界の取り組みなどにも触れることにより、未来の社会について考えることを願っています」と話した。

 天皇陛下の開会のおことば全文は次の通り。

 2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」が、世界の多くの国・地域と国際機関の参加を得て、ここ大阪市・夢洲を舞台に開催されることを誠に喜ばしく思います。

 この博覧会のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。「大阪・関西万博」を契機として、世界の人々が、自分自身だけでなく、周りの人々の「いのち」や、自然界の中で生かされている様々な「いのち」も尊重して、持続する未来を共に創り上げていくことを希望します。

 ここ大阪は、1970年にアジアで初めて万国博覧会が開催された地です。当時10歳だった私は、博覧会の会場を何度か訪れ、様々な国のパビリオンを巡って、世界の人々との触れ合いを実感するとともに、月の石を見たり、ワイヤレス・テレホンでの通話を楽しんだりして、当時の最新の技術に驚いたことなどを今でもよく覚えています。今回の博覧会を通じて、子どもたちが世界の国や地域、人々への理解を深め、次世代の技術や、SDGsの達成に向けた世界の取り組みなどにも触れることにより、未来の社会について考えることを願っています。

 ここに、2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」の開会を祝し、大きな成功を収めることをお祈りいたします。

         ◇          

 開会式の後には、両陛下は赤十字の活動を紹介するパビリオン「国際赤十字・赤新月運動館」を視察。紛争地や被災地で活動する人たちの映像を興味深そうに鑑賞した。

 赤十字と皇室のゆかりは深く、昭和天皇の皇后・香淳皇后をはじめ、美智子さま、雅子さまと代々の皇后が名誉総裁を務めてきた。両陛下の長女・愛子さまは嘱託職員として日本赤十字社に勤務し、青少年・ボランティア課で情報誌の編集、研修会やイベントの運営などを担当している。

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