中央大法学部3年の藤田星流さん(21)は、改姓の経験がある。
4歳の時に両親が離婚し、5人きょうだい全員が母に引き取られた。自身は母と一緒に母の旧姓に変更したが、すでに小学生だった兄2人は父の姓を引き続き名乗った。姓は違っても、兄たちとはいまも一緒に出かけるほど、ずっと仲がいい。「家族の一体感と姓は関係ない、と実感を持って言える。姓が異なる家族は今の制度でも存在している。説明すればいいだけのことだし、選択的夫婦別姓が導入されれば、それがもっと当たり前になるはず」
下の名前で呼ばれることが多く、「名」へのアイデンティティーは強いが、改姓の経験があるからか、「姓」に対しては正直、そこまでではない。だからこそ、「○○家」のような感覚はもっとピンと来ない。
将来、結婚するかは分からないが、その時に選択的夫婦別姓が実現していないなら、「約95%の夫婦が夫の姓を選ぶ」という現状への「カウンター」として、自分が改姓してもいいな、とぼんやり考えている。
法学部の同級生とも選択的夫婦別姓がときどき話題になる。「姓を変えたくない」という理由以上に、「選択できるものは選択できるようにするべきだ」という考えから導入に賛成する人が多いのが、「僕らの世代の特徴かもしれない」という。
「事実婚を選択するかも」と…