興福寺本坊の築地塀に倒れかかった松の木=2025年8月4日、奈良市登大路町、今井邦彦撮影

 4日午後2時ごろ、奈良市登大路町の奈良公園内にある登大路園地で、高さ15メートルほどの松の木が突然折れ、南に隣接する興福寺本坊の築地塀に倒れかかった。けが人はなかったが、塀の屋根が破損した。県奈良公園室は猛暑と雨不足による木の乾燥が原因の可能性があるとしている。

 同室によると、松の木は樹齢50~60年ほどとみられ、折れた部分は内部が腐朽していたが、外見ではわからなかった。倒れた際には強い風などはなく、猛暑日が続いたために木が乾燥して折れやすくなり、自重に耐えられなくなった可能性があるという。

 興福寺によると、本坊周辺では7月中旬にも大きな木の枝が折れ、心配する声が出ていた。同寺の関係者は「異常気象が続き、落雷の心配も増している。境内周辺の樹木の管理を見直す必要があるのでは」と話している。

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