10日午後5時50分ごろ、奈良市学園中1丁目の帝塚山中学・高校グラウンドで「落雷により、男子3人が倒れて意識がない」と奈良市消防本部に119番通報があった。
奈良県警奈良西署によると、14歳の男子中学生5人と16歳の女子高校生1人が救急搬送された。中学生の1人が心肺停止、2人が意識混濁の状況で、他の中学生2人と高校生は手足にしびれなどがあったという。
当時、現場では雨が降っていた。サッカー部が練習しており、部員や教員ら20人ほどがいたという。
気象庁によると、奈良県には10日午前から雷注意報が出ていた。現場付近の上空では同日午後6時前、急速に雨雲が発達し、局地的な雨と落雷が観測されていた。
10日は日本上空で寒気と、太平洋高気圧の縁を回り込む暖かく湿った空気がぶつかり、大気の状態が非常に不安定になっていたという。
11日夜にかけても、西日本と東日本の広い範囲で不安定な状態が続き、落雷や竜巻、突風への注意が必要となる見通し。
気象庁の担当者は「急に風が強まるのは雷のサイン。遠くでも光が見えたり雷鳴が聞こえたりしたら、屋外での活動は控えたほうが良い」と、注意を呼びかけている。