奈良市の新たなごみ焼却施設「クリーンセンター」の建設計画策定委員会は3日、建設地として、七条町、北之庄町、大和田町の3カ所が適しているとする答申書を仲川げん市長に提出した。仲川市長は答申を踏まえ、市議会6月定例会で議会側と候補地選定について議論していきたい考えを示した。7月13日告示の市長選・市議選の争点の一つになりそうだ。
有識者らで構成される策定委は、学校や病院からの距離、収集運搬の効率、広さなどの条件をもとに7カ所の候補地を選定。交通などの環境への影響度や、施設整備費用といった経済効率、災害リスクなどを評価対象として点数化した。
答申で、比較的高評価点となった七条町(505点)、北之庄町(456点)、大和田町(453点)の上位3カ所が「建設地として適しているものと判断」と結論づけた。
答申後、委員長の中川幾郎・帝塚山大名誉教授は「客観性を担保して進めてきた。今後は行政と議会とが一緒に判断していただきたい」と強調。市が過去に推し進めた七条町が49点の大差で最も評価点が高かったことについて「結果としてそうなったとしかいいようがない」とした。
仲川市長は「市と議会が政治の立場として建設的な議論を速やかに積み重ねたい。あと1カ月のスケジュールで(候補地を)最終決定するのは、さすがに難しい。夏以降に(市長や市議の)任に就かれる方々にとって、決断していくことが最大の責務だ」と述べた。
公害調停で移転決定も……
新ごみ処理施設の移転先の選定は、長らく難航してきた。
現在の市のごみ焼却場「奈良…