意見交換に参加した生徒らは、県立美術館の展示を見学して提案をまとめた=2024年8月20日、奈良市登大路町、今井邦彦撮影

 奈良県が文化施策に関する意見交換の場として設置した「県文化創造ギャザリング」の第2回会合が、県庁で開かれた。今回は小学生から大学生までの若者も参加。県立美術館(奈良市)の将来像について意見を述べた。

 会合は20日にあり、県が施策への意見を聞くため募集した「こどもまんなかクラブ」の3人と、県立高円芸術高校の生徒6人が参加した。会議に先立って県立美術館の「江戸時代のきもの」展を見学し、同館でどんな展示やイベントが見たいか、意見をそれぞれまとめた。

 ギャザリング委員との意見交換では、生徒らから「今の展示は『見る』ことが前提。目の見えない人のために『触る』展示も必要では」「着物の展示は、マネキンなどを使ってもっと動きのあるものにすべきだ」「誰もが知っているキャラクターとのタイアップで来館者を増やしたら」など、様々な意見が出た。

 座長の青柳正規・橿原考古学研究所所長は「今まで美術館ができていなかったことを気づかせてくれた。ぜひ、これからも意見をください」と感心した様子だった。

 奈良市立三笠中学2年の大向彩希(あき)さん(13)は「体験型のワークショップなどを増やして、子どもから大人まで楽しめる美術館にしてほしい」と提案。意見交換の後、「五感を使うことが大切だという声は、委員からも出ていた。私たちの意見を活用してもらえたら」と話していた。(今井邦彦)

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