奥能登原木シイタケ「のとてまり」の出荷が8日、石川県穴水町のJA全農いしかわ穴水事務所で始まった。持ち込まれた約500個のシイタケを職員らが大きさごとに選別。9日朝に初競りが行われる金沢市中央卸売市場に運んだ。
のとてまりは、原木シイタケ「のと115」の最上級ブランド。かさの直径が8センチ以上、厚みが3センチ以上で、巻き込んだかさのへり部分が1センチ以上あるもので全体の約1割という。初競りで1箱(6~8個入り)に30万円以上の値が付いたこともある。
JA全農いしかわによると、奥能登2市2町の約100農家が年間3万個前後の原木シイタケを生産し、金沢市や首都圏などに出荷してきた。ただ、能登半島地震や昨年9月の大雨などの影響で農家は6割程度にまで減り、今年の出荷は約1万5千個を見込んでいる。昨年は11月まで気温が高く、12月は日照時間が少なかったことから、初出荷が例年より3週間ほど遅くなったという。出荷は3月下旬ごろまで続く見込み。
能登町の農家田端二郎さん(59)は「地震による津波で一部のビニールハウスが流されたが、丁寧にシイタケを育ててきた。今年は身が引き締まっていて味は抜群だ」と話した。