日本学生支援機構の奨学金で、約4万4千人分の支給(4~6月分)に遅れが生じたことが分かった。多子世帯向け授業料減免の拡充による申請の急増で事務処理が滞った影響という。25日までには支給される予定。
文部科学省が20日に明らかにした。11日に、約138万人に支給を予定していた。遅れた人のうち、2万7千人分は20日までに支給済みで、その他の人も25日までに支給を予定。生活費の工面が難しいなど、迅速な支給が必要な事情がある学生には個別に対応しているという。
同機構の奨学金の申請は約51万件(5月末時点)で、昨年同期より31万件多い。多子世帯向けの授業料減免が広がった影響とみられている。
阿部俊子文科相は20日の閣議後会見で「学生への支援が遅れるという事態はあってはならないこと。学生らにしっかりと支援を届けることができるよう、引き続き同機構に対応を求める」と話した。
3人以上の子を扶養する多子世帯の大学授業料を減免する制度は、今年度から所得制限をなくし、新たに学生41万人(推計)が対象となった。「期間内に申請できなかった」という学生の相談が多くあることから、申請を6月末まで受け付けるよう、文科省が各大学に通知を出している。