女性のメンタルヘルスに影響を与えるようなジェンダーギャップについて、研究に参加した若者たちが紙に書き出し、議論に用いた=東京都世田谷区

 子どもの心の健康状態(メンタルヘルス)は、中学生になるころに男女の間で差が表れ、その後に差は広がっていくことが、日英の合同研究チームによる、東京とロンドンの若者を対象とした追跡調査で確かめられた。男子がやや改善していく一方、女子は悪化傾向だった。

 世界的に、女性を中心とした若者のメンタルヘルスの深刻化が指摘されている。同じ若い集団を長期間にわたって追い、男女格差の拡大を確認した研究は珍しい。

 「東京ティーンコホート」(TTC)と呼ばれる日本側の調査には、世田谷区、三鷹市、調布市に住む約3千人が参加。9~10歳、11~12歳、13~14歳、15~16歳になった時点での健康状態などを回答してもらった。REACHと呼ばれるロンドンでの調査にも同様に約4300人が参加した。

 メンタルヘルスの状態は、子どもの抑うつ症状を評価する「SMFQ」と呼ばれる国際的な質問票を使ってたずねた。

日英7000人を調査 若者も結果を分析

 「わたしは、みじめだったり、不幸だったりした」といった13項目を質問。それぞれ、「あてはまらない(0点)」「ときどきあてはまる(1点)」「あてはまる(2点)」のいずれかにチェックを付けてもらった。

 数値が大きいほど状態がよくなく、最高は26点。厳密な基準はないが、8点以上だと抑うつ状態の可能性があるとされている。

 参加者のうち、東京では2813人、ロンドンでは4287人のデータを分析。専門家のほか、TTCやREACHに参加した18~20歳の若者計10人も分析に携わった。

 その結果、東京の参加者のS…

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