米中部カンザスシティー(KC)に2024年3月にプロスポーツ史上世界初の女子専用スタジアムが誕生した。本拠とする米女子サッカーリーグ(NWSL)所属の「KCカレント」はビジネス面でも成功をおさめている。その戦略と効果を、ステファニー・トムリン・ゼネラルマネジャー(GM)とジョセリン・モンロー・マーケティング部長に聞いた。
――1年目の本拠地試合は完売でした。
- 世界初の女子専用スタジアム、広がる可能性 ビジネス価値ある資産に
トムリンGM:「地元の人たちは本当に女子サッカーが好き。私はニューヨークやロサンゼルスなどで長くスポーツとエンターテインメントの世界で仕事をしてきましたが、KCは女子サッカーの『首都』のような感じがします」
――女子専用ができたきっかけは。
モンロー部長:「共同オーナーのアンジーとクリス・ロング夫妻ですね。彼女たちが19年にフランスで開催された女子サッカーワールドカップの盛り上がりを現地で体験し、KCには女子サッカーが欠けている、と」
「KCには前にもクラブがありましたが、運営がうまくいかず消滅しています。そこで『持続可能』にこだわった。アンジー氏は『女子専用のスタジアムは経済的にもいいし、エコシステムも回る。そのうち世間は我々の活動を意識せずにはいられなくなり特別になる』と言っていました」
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ファンの特徴と対戦相手からの反響
――観客収容人数を1万1500人に設定した理由は。
モンロー氏:「色々なリーグの試合を研究し、観客全員が会場の熱気を感じられる造りを考えました。どの席もピッチから100フィート(約30メートル)以内の距離で双眼鏡が不要です」
――反響は。
モンロー氏:「すごくありま…