ふるさとの相撲道場で、後輩の子どもたちに稽古をつける今日和さん=2024年4月17日、青森県鰺ケ沢町、渡部耕平撮影

 相撲どころの郷里に帰ると、通った道場に顔を出す。まわしを締めて、後輩の子どもたちに稽古をつける。当たりを受け止めながら、「いい出足。自信を持って」と励ます。土俵で教えていると、自然に笑みがこぼれる。

 青森県鰺ケ沢町で生まれ育った今日和(こん・ひより)さん(27)は、女子相撲の第一人者だ。身長160㌢、体重100㌔。力強い押しを生かし、世界選手権で3度の準優勝を果たした。今も実業団で現役を続けている。

 夢がある。「女子相撲を国際的に広めて、五輪の種目にしたい」。その第一歩を踏み出した。4月から、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで指導に励んでいる。

 任期は2年間。「教えたいことの量が多くて、間に合うかなと焦っています」と言いながらも、手ごたえは十分のようだ。

 情熱は、中学生のときに芽生…

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