かつて女子高校生の「三種の神器」ともいわれた口紅、名刺、そしてポケベル(画像の一部を加工しています)=1993年

 「ポケベルが鳴らなくて」

 AKB48の総合プロデューサーでもある秋元康さん企画原案のテレビドラマは、緒形拳さん主演で1993年に放送された。同名の主題歌は日本レコード大賞で新人賞に輝くほど、世相を反映していた。

 かつて女子高校生の「三種の神器」の一つといわれたポケベルは、アラフォーやアラフィフには懐かしい響きだろう。子どもの頃からスマートフォンが当たり前のZ世代には、歴史の教科書に出てくる話にしか聞こえないかもしれない。

 ポケベルとは、日本電信電話公社(現NTT)が1968年にサービスを始めた小型無線呼び出し端末「ポケットベル」のことだ。スマホのように通話やメールの送信はできない。当初はポケベルの番号に電話をかけて、呼び出すだけの受信専用のデータ端末だった。

 総務省によると、ポケベルの最多加入契約数は95年度末の1061万549件で、同年度末の携帯電話1020万4023件を上回っていた。87年からはプッシュホンで入力した数字を液晶画面に表示できるようになり、数字だけで表す「ポケベル暗号」が若い世代の琴線に触れたことも大きく影響した。

 「10105」「428」「724106」「8110」「1101」「114」

「ポケベル暗号」その意味は?

 「イマドコ」「シブヤ」「ナ…

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