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岐阜第一―福知山成美 優勝を決めて喜ぶ福知山成美の選手たち=2025年8月2日午後、阪神甲子園球場、小林一茂撮影
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 第29回全国高校女子硬式野球選手権大会(朝日新聞社特別後援)は2日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で決勝があり、福知山成美(京都)が持ち味の強打を見せつけ、11年ぶり2度目の優勝を果たした。1点を追う三回に三浦、松本の連続適時打で逆転。四回には打者10人の猛攻で7安打を集中させ、5点を奪って突き放した。2大会ぶりの決勝進出で初優勝を目指した岐阜第一は投手陣が粘れなかった。打線は7安打を放ったものの、好機でつながりを欠いた。

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福知山成美 長打力で立った頂点

 福知山成美の選手には、揺るぎない自信があった。3番で指名打者の松本結愛は言う。「長打力はどこにも負けない」

 同点の三回1死二塁、松本の打球は中堅手の頭上を越える。適時二塁打で勝ち越した。各打者が鋭いスイングで速い打球を放ち、次々と野手の間を抜く。二塁打2本を含む15安打、10得点で圧倒した。

 新人戦にあたる昨夏のユース大会と、今春の選抜大会は準決勝で相手投手に完投されて4強止まり。パワーに自信があっても、大きな飛球に終わる。求めたのは、強い振りでのライナーだ。

 グラウンド周辺の急勾配の坂道を走り、緩急や変化球に対応できる粘りのある足腰を作った。時間があれば「とにかくバットを振った」と松本。今大会は外野手の頭上で伸びていく打球が目立ち、全6試合で複数の長打を記録。1試合平均7.5得点と打力で相手をねじ伏せた。

 昨夏まで2連覇の神戸弘陵を筆頭に、近年は好投手を軸に守り勝つ野球が女子高校野球のトレンドだ。「『女子は飛ばないから面白くない』と言われるが、そんなこともないと示せた」と長野恵利子監督は満足そうだ。

 松本は「こんなふうに楽しい野球があると知ってほしい」。強みを貫いて、女子高校野球の新たな魅力も届けた。

岐阜第一 小技と機動力で仕掛ける

 打力で勝る相手に対し、岐阜第一は果敢に仕掛けた。二回1死二、三塁から、8番萱岡藍瑠のスクイズで先取点を挙げる。

 しかし、続かない。三回は好機であと1本が出ず、四回もヒットエンドランで揺さぶったが、併殺に終わった。「後手に回っても仕方がないと思っていた。序盤で流れを作れなかった」と鹿川大翔監督は振り返る。

 投手陣のうち、先発の松原優風は1年生で、2番手で投げた松井澪は2年生。各打者のスイングに鋭さを感じたと言う松井は「また甲子園に戻ってきて優勝したい」。悔しさを前に進むエネルギーにする。

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